会長挨拶
第92回日本結核病学会総会の開催にあたって
会長 齋藤 武文(国立病院機構茨城東病院 胸部疾患・療育医療センター 病院長)
この度、第92回日本結核病学会総会会長を仰せつかりました齋藤でございます。東京国際フォーラムで第6回国際結核肺疾患予防連合アジア太平洋地区会議と同時開催できます名誉と重責を強く感じています。
私は2年間、一般研修、4年間、大学院生としての研究を修了した後、結核研究所附属病院(現 結核予防会複十字病院)で初めて結核の臨床の手ほどきを受け、それ以来、30年間、結核臨床医として現場で仕事をしてきました。昭和63年4月から現在まで勤務している国立病院機構茨城東病院は、平成27年10月17日に創立80周年を迎えました。村松晴嵐荘に始まった当院は、国立結核療養所第1号として結核診療において我が国の最先端を走り、第2代荘長木村猛明先生の作業療法、第3代荘長加納保之先生の肺結核の外科治療、第5代院長青柳昭雄先生の肺結核の内科治療を始めとした先輩諸氏は輝かしい業績を挙げてきました。そういった歴史のある施設で先輩の先生方から懇切丁寧に結核を教えて頂いた経験から実際の結核臨床は中々、教科書などの書物から独学で学ぶ難しさを痛感しています。本学会総会では「現場で生きる実践結核病学の確立を目指して」をテーマにし、結核の現場に精通した医療職の先生方は勿論、結核を勉強始めたばかりの研修医、抗酸菌エキスパートの方々にも沢山、勉強して頂けるよう実際的なプログラムを中心に企画しています。特に「初学者のための結核寺子屋教室」と称して30分、15の基本的な内容からなる講演を予定しています。専門家だけでなく結核を良く知らない医療従事者が勉強になる学会にしたいと考えています。
開催時期は通常より早い3月23(木)、24日(金)となります。まだ肌寒い時期だとは思いますが、沢山の先生方に来て頂けるようお願い致します。